リチウムポリマーバッテリーの取り扱いについて
ご使用上の注意
- 転倒等でリチウムポリマーバッテリ−に破損がある場合には直ちにご使用をおやめください。
- コネクターから脱着する際には必ずコネクター本体を持っておこなって下さい。
- 火中や水中への投棄はおやめください。
- 廃棄する場合は、各自治体の定める方法に従っていただきますようお願いいたします。
充電時の注意
- 充電の際には使用後1時間以上の間隔を空けて充電してください。
- 充電中に異変(膨らみや異臭)を確認した場合には直ちに充電を中断してください。
- 指定の充電器以外での充電は絶対におこなわないでください。
- 充電中は周囲に可燃物を置かないで下さい。
- 2個同時に充電出来る充電器を使用する場合に残量の違う電池を充電した場合、充電器のインジケーターランプが正しく動作しない場合があります。
その際には5〜10分で正しい状態に戻ります。 - 電池は原則500回充放電が可能ですが、使用状況によりこの限りではありません。
保管時の注意
- 使用後は本体や充電器からコネクターを外した状態で保管してください。
- 保管時には直射日光をさけてください。
- 40℃以上になる場所での保管は性能を著しく低下させます。
- 一ヶ月以上の長期保管をする場合には電池残量を約50%程残した状態で保管してください。
3.7Vの場合空の状態から約2時間
7.4Vの場合空の状態から約4時間 - ※リチウムポリマーバッテリ−は空の状態で保管すると、使用出来なくなる事があります。
電池の保護回路で過充電や0電圧にならないようになっておりますが、長期保管した場合、自然放電で0電圧になる事があります。
そういった状況を未然に防止する為にも必ず上記をお守りください。
満充電での保管も電池の故障の原因になる為おやめください。
リチウムポリマーバッテリ−は小型で高出力になり便利になった反面取り扱いを間違えると重大事故に繋がる危険性も持ち合わせております。
ここではリチウムポリマーバッテリ−について簡単に説明しております。
間違った認識で何でも危険という訳ではなく正しい知識を御持ち頂ければ問題ありません。
特性についてご理解頂き安全にお使い頂きますようお願いいたします。
リチウムポリマー電池の普及とともに事故が増大!
リチウムポリマー電池とは!
リチウムポリマー電池は、近年、軽量、高電圧、大容量等の大きな特徴が話題を呼んでいます。
結果コンパクトになり様々な分野で利用されています。その電源であるリチウムポリマー電池とは、また、その取り扱いと安全性はというと、まだまだ理解が十分されていないのではないでしょうか。
最近、リチウムポリマー電池に纏わる事故の話が聴かれるのも少なくありません。
飛行機を燃した、車のシートを焦がす、穴を空けた、車を燃した、果ては家まで燃したとか、考えたら非常に怖い話ではありませんか!これらの事故が人命に絡んだなら、社会的な大問題となり、人体に近い場所での使用は、また “危険” と認識されてしまうかもしれません。
しかしこれらの事故の原因の殆どが、充電中の出来事であったということです。
こうした話は伝わります。そして一般的には「爆発したり」「取り扱いが大変」とか意識され、危険性がクローズアップされています。バッテリーの利用は長い歴史があるのに、何故、リチウムポリマー電池はこうした事故が多いのでしょうか。
1.そもそも、“リチウムポリマー電池“とはどんなバッテリー?
リチウムポリマー電池は、リチウムイオン電池の電解質の代わりにゲル状にした導電性のポリマー(化学物質)を利用し、従来の重量のある金属ケースからフィルム層状にしたもので、リチウムイオン電池の改良型とも言えるでしょう。 従来のリチウムイオン電池を、液体の電解質からポリマーに変えたことでケースが軽量化され、形状も自由度が拡大し、エネルギー密度も高いので小型軽量化ができるので身につけるヒート系商品には最適と言えるでしょう。
(広辞苑)ポリマー:重合体。一種類の化合物の分子が二個以上結合して作られたもの。
たくさんの分子が結合したものを高分子化合物といい、合成樹脂などの原料に使われる。
リチウム:(Lithium:ギリシャ語で石の意のLithosから) アルカリ金属元素の一つ。
元素記号Li、原子番号3、原子量6.941、銀白色の光沢を持つ金属柱最も軽い(比重0.53)物質。
水と反応して水酸化物となり水素を発生する。
2.リチウムポリマー電池の特徴
- ●長所
- 1.小型・軽量
- 2.高起電力(1セルあたり3.7V)・大容量
- 3.エネルギー密度が高い(リチウムイオン電池の役1.5倍程度)
- 4.メモリー効果が無い
- 充放電により電池構造が崩れる事が起こりにくいので良好な繰り返し充電が可能。
メモリー効果:ニッカドやニッケル水素電池は、容量を残した状態で再度充電を始めると、電池の容量が減少したような症状が起こり次回の使用時間が短くなる事象。そのため、放電をきっちりさせる必要がある。
- ●短所
- 1.高価
- 2.可燃性(過充電・過放電・衝撃等により発熱、炎上のおそれがある。)
- 3.充放電の制限(放電電流に限界がある。)
- 4.どうなると燃えるのか?
- 1.過充電により燃えた例(実験)
- フルチャージ状態のリチウムポリマー電池(7.4V-2100mAh)にニッカド用の充電器で6Aほどの急速充電をかけた所、約10分で、もちを焼いたように膨らみ、「ボンッ!」という小爆発と共に燃えてしまいました。炎の大きさは直径1メーターほどでした。
- 2.飛行機に搭載して燃えた例
- 過放電により膨らんでしまい、電池が膨らんだせいで電極(ペラペラのシート状のもの)が近づき、ショートしてしまったと言うものを聞いたことがあります。
3.取り扱いにおける注意事項(詳細)
- <1. 充電>
- ・リチウムポリマー電池専用又はリチウムポリマー電池対応の充電器を必ず使用すること。
過充電すると、化学変化により膨らみ、発熱、炎上のおそれがある。 - ・被覆に傷や凹みが無い事やリード線付け状況等外見を十分検査すること。
- ・充電する前にバッテリーを室温までクールダウンすること。
- ・バッテリーパックは並列で充電しないこと。
- ・近くに可燃物の無い安全な場所で充電すること。
- ・リチウムポリマー電池に異変(膨れ等)を確認した場合は、直ちに充電を中止すること。
- ・乗り物の中で充電しないこと。
- <2.放電>
- ・一度に大電流を流すことのない運用をすること。
リチウムポリマー電池は、放電能力に限界があるため、バッテリーの中で急激な化学変化に耐え切れずガスが発生し、もちのように膨れて、最悪燃えてしまいます。 - ・新品のバッテリーパックは" 慣らし放電" を必ず行うこと。新品のバッテリーは良好なイオン変換が出来ず、放電効率がよくないため、この状態で、5℃以上の急速な放電をしてしまうと、バッテリーの性能を著しく低下させ最悪バッテリー機能が消滅します。
従って、新品のバッテリーパックは必ず" 慣らし放電" を行って下さい。
はじめの3〜4回は3〜5℃程度の放電容量で使用しバッテリーパックを慣らして下さい。
- <3.その他>
- ・ショートさせたり、傷を付けたり、衝撃を加えたりしないこと。
- ・高温度の場所に放置、又は保管しないこと。
- ・リチウムポリマー電池を捨てる際は完全に放電し、リサイクルに出すこと。
4.最後に
リチウムポリマー電池は、取り扱い次第では爆発炎上等大変な事故のおそれがありますが、取り扱い説明書に従って適正に運用すれば何ら問題なく安全に利用できるものです。
リチウムポリマー電池の小型・軽量・高起電圧・大容量・形状可変性という特徴は、大変魅力的なものといえます。